未来球技ブラジル2〜苦労人の攻撃〜
未来球技ブラジル2〜苦労人の攻撃〜
シーン4
千石 「うむ、本日も快晴。実に海水浴日和だ。そうは思わないかね、諸君!」
甚八 「昨日、風呂入って、メシ食って、すぐに寝かせてくれればその通りでしたね」
太助 「よもや、旅行先でまでネームきらされるとは……しかも、深夜の3時まで」
千石 「当然だろう。この旅行は強化合宿でもあるのだから、ちゃんと漫画も描いてもらわないとね」
甚八 「おかげで寝不足ですよ……」
千石 「まだまだ修行が足りないねぇ。そんな事で、締め切り前の修羅場を潜り抜けられると思っているのかね? もっと体力をつけないとね」
太助 「頑張ります……」
千石 「うむ、精進したまえ。それでは、さっそく泳ぎに……やや!?」
東 「どうした?」
千石 「さっきから気になっていたんだが、水着のギャルがこちらを見ているのだよ」
太助 「え、どこですか!?」
千石 「ほら、目の前の金髪ギャルだよ」
太助 「ほう。オレの好みとは違いますけど、ナイスバディな美人ではないですか」
千石 「むむ、こちらに近付いてくる! よ、よし甚八君、声をかけてくるのだ!」
甚八 「お、オレッスか? カンベンしてくださいよぉ〜」
太助 「甚八っつぁんは女そのものに免疫が無いから無理ッスよ」
千石 「むう、不甲斐ない話だ。仕方ない、ボクが声をかけよう。ゲイの東君や、ロリコンの太助君には荷が重いだろうからね」
東 「だから、ゲイじゃないっつうの!」
太助 「二次元にしか興味無い人に、ロリコン呼ばわりされたくないッス」
千石 「太助君、失礼な事を言うんじゃないよ。ボクはちゃんと三次元の女性にも興味はあるさ。
ただ、理想のタイプは、液晶モニターの向こうにしかいないだけだ!」
太助 「そういうのを『二次元にしか興味がない』と言うんだと思いますけど」
千石 「だから、ちゃんと興味はあるんだよ! しかしだねぇ……」
甚八 「(遮るように)あのぉ……もう目の前にいらっしゃってますが?」
千石 「うぉっ! いつの間に? ああ、スイマセン、お見苦しい所をお見せしてしまいまして」
伯爵 「いえいえ、どういたしまして」
千石 「うわぁっ!?」
太助 「お、男!?」
伯爵 「いかにも、男だ」
東 「そうですか。それでは我々は失礼をば……」
伯爵 「待ちたまえ。私は君たちを探していたのだ」
東 「ぶっちゃけ、関わり合いになりたくないのですが……」
伯爵 「いやいや、手間はとらせんよ。私も急がしいのでね。ただ礼が言いたかったのだ」
甚八 「礼?」
伯爵 「うむ。君たちのおかげで、あの妙な祠から出られた。ありがとう」
東 「いえ、礼を言われるほどの事では……って、祠!?」
伯爵 「いかにも。そこの彼が封印を解いてくれたじゃないか」
甚八 「あ、あんた、もしかして祠に封印されてた魔物か!?」
太助 「なるほど。魔物なら、外見が女で中身が男ってのも納得いくかも」
東 「いくか、そんなモン!」
千石 「あしゅら男爵みたいなのもキツイが、コレはコレでキツイ物があるなぁ」
伯爵 「まあ、魔物呼ばわりはいささか心外だが……あの時代の地球人から見れば、私は魔物に見えたかもなぁ」
東 「また何やらSFなキーワードが出てきたが……魔物じゃないってのか?」
伯爵 「うむ。私は君たちの言葉で言う所の『宇宙人』というヤツだ。私の名前はクックドゥドゥルドゥ・ラップドゥー伯爵。
まあ、『伯爵』と呼んでくれたまえ。もっとフランクに『クックちゃん』と呼んでいただいても結構」
千石 「なるほど、宇宙人ですか。去年までならオカマの戯言と一蹴してましたが、一身上の都合で信じますよ、『伯爵』」
東 「しかし、何で女の体をしてるんだ、『伯爵』」
太助 「かなりスタイル良いですけど、肉体改造でもしてるんですか、『伯爵』」
甚八 「そもそも、何で封印されてたんですか、『伯爵』」
伯爵 「…………諸君、私の事を『クックちゃん』と呼んでみようとは思わないかね?」
千石 「カケラほども思いませんな!」
伯爵 「そうか……思わないか……ま、いいんだけどね。(呟くように)でもさぁ、もっとフランクに接してくれても良いかなぁとか思うんだよね。
『クックちゃん』と呼んでも良いって言ってるんだし、もうちょっと行間読んで欲しいよなぁ」
東 「(まったく取り合わず)とりあえず、用は済んだみたいなので、失礼させてもらいますね」
伯爵 「ふーんだ、いいんだ、いいんだ。所詮、私はこの時代の人間じゃないんだ。やるべき事をなしとげて、
未来に希望を託すのさ。さあ、来るんだ、ロボ」
ザバァァァン!
ロボ 「がおー」
甚八 「うわっ! 海から何か出てきた!?」
千石 「あ、アレは……卓球マッスィーンじゃないか!?」
東 「いや、ブリキのオモチャみたいなのは相変わらずだが、ちょっとだけデザインが違う」
太助 「でも、まったくの無関係ってワケでもないのでは?」
ロボ 「がおー」
伯爵 「うむ、来たな。さあ、ロボよ。もはや我らには元の時代に帰る術はない。ずいぶんと遅くなったが、任務を全うしよう。
何、マイナスばかりではない。百五十年近く封印されていたお陰で、本来のターゲットを抹殺しに行ける。
さあ、ロボよ、探し出すのだ。我らが仇敵、千石正純(まさずみ)を!」
千石 「な、何ですとぉ!?」
甚八 「千石正純……どこかで聞いたような」
太助 「つうか、千石さんのフルネームですよね?」
東 「バカ、黙ってろ!」
伯爵 「何だとぉ!? 貴様、貴様が千石正純か! ロボ、確認せよ!」
ロボ 「がおー」
伯爵 「むう、間違いない! 我らが未来の為、死んでもらうぞ、千石正純!」
千石 「ちょ、ちょっと待ちたまえ! 確かにボクの名前は千石正純だが、何かの間違いではないのかね?」
伯爵 「DNAデータを照合した。間違いないわ!」
千石 「ならば、せめてなぜボクを殺そうとしているのか聞かせてくれたまえよ」
太助 「そんなモン、去年と一緒でしょう。菅井ネットでしたっけ?」
甚八 「あ、でも宇宙人だとか言ってなかったっけ?」
伯爵 「な〜にをゴチャゴチャ言っとるか! 仕方ないから説明してくれるわ!」
伯爵 「この時代からすれば、遥か未来。オマエたち地球人も宇宙に進出し、そこで多種の知的生命体と交流を持つようになる。
そんな時代が進み、不幸な惑星間戦争などを繰り返し、宇宙は『銀河共和国』として統一された。だが、共和国の支配から脱して、
自ら銀河の覇権を握ろうとした者が存在した。それが私だ。私は反共和国である『分離主義者』たちをまとめあげ、共和国に戦いを挑んだ。
だが、その結果は大敗だった。その原因が、千石正純、貴様なのだ!」
千石 「なぜ、ボクがそんな遥か未来の出来事の原因になるのだね?」
伯爵 「貴様の子孫が、やがて銀河共和国の女王となるのだ。そして、とんでもない法案を提出し、それが通ってしまったのだ!」
東 「とんでもない法案?」
伯爵 「その通り! その名も『銀河卓球決着法』! ヤツは全ての争い事の決着を、卓球で行うなどとバカげた法案を通しおったのだ!」
太助 「卓球マッスィーンが来た未来と一緒ッスね。アレも千石さんの子孫が関係してるんでしたっけ?」
東 「オマエの卓球好きは、どこまでも迷惑をかけるんだな」
伯爵 「そもそも、私が分離主義者をまとめられたのも、私を含め、卓球が苦手な者が多かったからだ。
だから、共和国を打倒し、新たな秩序を築きたかった。しかし、卓球で決着をつけざるを得ない状況に追い込まれ、私は逃げた。
その逃避行の中、何度も整形を行って顔を変え、趣味と実益を兼ねて女の体にもなった」
甚八 「趣味と実益で性転換ってアンタ、モノホンの変態じゃねぇか……」
伯爵 「そして、逃亡を続けながら、私は世界を変える為に、タイムマシンを開発した。
そもそもの原因である、貴様を抹殺する為に! どうせ捕まれば極刑が待っているだけだしな」
太助 「まあ、失敗したクーデターの末路は、皆殺してのが相場だろうしなぁ」
伯爵 「死刑ならまだ良いわ! 収容所に入れられ、死ぬまで卓球をさせられる『無限卓球の刑』が待っているのだ。ああ、恐ろしい!」
東 「確かに、嫌な刑罰だな、それ」
伯爵 「私はたった一つ残った戦闘ドロイドを連れ、タイムマシンに乗り込んだ。しかし、急ごしらえのタイムマシンには、やはり欠陥があった。
私が辿り着いたのは、まだ貴様が生まれてすらいない過去の世界だった。タイムマシンのエネルギーは1回分しかない。
仕方がないので、私は千石正純の祖先を始末しようとした。だが、それも……あの妙な坊さんのせいで……」
甚八 「卓球上人ッスね……」
伯爵 「私はあの坊主にも負け、魔物として戦闘ドロイドもろとも封印された。しかし、神は私を完全に見捨ててはいなかった。
本来のターゲットである貴様自身が、私の封印を解いてくれたのだからな!」
千石 「事情は判ったが……何でボクなんだい? その女王の両親やら、もっと近い過去のボクの祖先で良かったじゃないか」
伯爵 「言っただろう。急ごしらえのタイムマシンだと。あまり細かい調節が出来ない上に、タイムスリップする時代を合わせる暇も無かった。
そして、女王の祖先の中で、歴史に名を残した最古の存在が貴様なのだ」
千石 「何か納得出来るような出来ないような気もするが……よかろう、身にかかる火の粉は払うのみだ!」
東 「おい、大丈夫なのか?」
千石 「卓球も出来ないようなヤツに負けはしない、アッハッハ!」
伯爵 「フン、その強がりがいつまで続くかな? よし、ビーチバレーで勝負だ!」
東 「は?」
太助 「ビーチバレー?」
伯爵 「その通り! 私が勝てば、貴様の命は貰い受ける!」
甚八 「何でビーチバレー?」
伯爵 「私はビーチバレーの方が好きだし、得意だからだ! ココで貴様を始末して、私の志を受け継いだ者たちが共和国を作り直し、
この銀河に『銀河ビーチバレー決着法』を広めるのだ!」
東 「結局、千石と同類かよ……」
千石 「あんな変態と一緒にしないでくれたまえ」
伯爵 「さあ、早くパートナーを選ぶが良い!」
東 「アンタのパートナーは、もしかして、それ、か……?」
伯爵 「いかにも。ロボが私のパートナーだ」
ロボ 「がおー」
千石 「では、コチラは我ら4人でお相手しよう」
太助 「マジですか?」
甚八 「オレ、ビーチバレーはあんまり自信ないんですが……」
千石 「大丈夫、4人いれば何とかなる!」
伯爵 「フン、良かろう。ただし、パートナーに選んだからには、貴様が負けた時は4人まとめて始末してくれるわ」
太助 「ちょ、ちょっと待った、始末するのは千石さんだけにしてくれよ、クックちゃん」
伯爵 「今さらフランクに呼びかけても遅いわ! さあ、勝負を始めるぞ!」
千石 「太助君、覚悟を決めたまえ。さて、ルールだが……」
伯爵 「なぜオマエが仕切る!」
千石 「ボクらが勝った所で、命が助かるだけなんだし、ルールぐらい決めさせてくれたまえ。まず、3セットマッチで2セット先取。
ただし、勝負が第3セットにもつれこんだ場合、もう1度最初からやり直しだ。こちらは好きな時に交代可能で、15点先取で勝利。そっちは21点。
タイブレイクは適用されない。まあ、こんな所かな? そっちにはロボットがいるんだ、これぐらいのハンデは当然だね」
伯爵 「フン、いいだろう。どうせ貴様らは1セットも取れないのだからな」
甚八 「あちらさん、随分と自信ありげだけど、ヤバいんじゃないですか?」
千石 「もっと自分に自信を持つんだ。それでは、まずは太助君と甚八君、頼んだよ」
甚八 「オレらが先発ですか?」
千石 「うむ、君たちの運動能力を見込んでの事だ。頑張ってくれたまえ」
甚八 「負けても恨まないでくださいよ」
太助 「まあまあ、あまりネガティブになるなって。勝てばいいんだよ。おい、このポンコツロボに、変態野郎!
コナン大学のスタスキー&ハッチこと、太助・甚八コンビが叩き潰してやるぜ!」
東 「凄いのか、凄くないのか、よく判らん異名だな」
千石 「それでは始めよう。サーブ権はコイントスで決めるよ。さあ、裏か表か?」
太助 「表」
伯爵 「では裏だ」
千石 「結果は……裏だね。では伯爵チームのサーブからだ」
甚八 「サーブ権を取られたか……ヤバイな」
太助 「大丈夫だって。よく見ろよ。オレたちは太陽を背にしてるが、向こうは逆光だろ? サーブ権は取られても、地の利は我らにあり、だ」
甚八 「でも、ロボがサーブ打つみたいだぞ」
千石 「ゲームスタート!」
ロボ 「がおー」
ばすん! ずどぉん!!
甚八 「太助……ボール取れよ……」
太助 「無理……あんな弾丸サーブ受けれねぇって……」
千石 「は、伯爵チーム……1点」
伯爵 「よぉし、どんどんいこうか。さあ、ロボ!」
ロボ 「がおー」
ばすん! ずどぉん!!
甚八 「いや、だから太助、取れって……」
太助 「いや、だから、あんなの受けたら、腕折れるって……」
甚八 「スイマセン、クックちゃん。謝りますから、抜けていいですか?」
伯爵 「今さら遅い!!」
甚八 「だったら……タイムアウト」
伯爵 「カッカッカッ、何を話し合おうが無駄無駄無駄ァッ!」
太助 「くっそぉ、オモチャみたいなデザインのクセに、ピッチングマシンみたいなサーブを打ってきやがる。芸人の罰ゲームじゃないっての」
東 「どうするんだ? このままでは勝ち目はないぞ」
甚八 「まあ、一つ作戦はあるんですが……太助に覚悟を決めてもらわんとなぁ」
太助 「何する気だ、甚八っつぁん?」
甚八 「何とかあのサーブを受けてもらって、オレがますらおスマッシュで返すんだよ」
東 「アレは卓球の技だろ、出来るのか?」
甚八 「返し技って意味では同じですよ。サーブ権さえ取れれば、ますらおオーバードライブで蹴散らしてみせます」
太助 「待った。返し技ってんなら、オレのスーパーマグナムでもいいじゃん」
甚八 「太助はサーブ系の技がないだろ」
太助 「確かに……」
千石 「太助君……」
太助 「千石さん……」
千石 「痛いのは多分一瞬だ。安心して後を任せたまえ」
太助 「フォローになってないッス…………」
千石 「タイムアウト終了。ゲーム再開だ」
伯爵 「フフフ、何を企んでも無駄だ。ロボ!」
ロボ 「がおー」
ばすん!
太助 「ちくしょー、来いやぁ! …………やっぱり来るなぁ…げふぅっ!」
甚八 「よっしゃあ! ますらおスマッシュ、ビーチバレーバージョン!」
伯爵 「何ぃっ!?」
千石 「太助・甚八チーム1点! 見事な顔面受けだったよ、太助君」
太助 「じ、甚八っつぁん……後は、頼む……ガクリ」
甚八 「太助! 太助ぇぇぇぇぇぇぇぇっ! おのれぇ!」
東 「いや、そもそも君の発案した作戦の結果なんだが……」
千石 「太助君。君の死は決して無駄にしない。僕たちは必ず勝つ! さあ、甚八君! 太助君の弔い合戦だ。思う様やりたまえ!」
甚八 「おう! 見てろよ、太助。勝利を掴む事こそが、オレとオマエの友情の証だ」
千石 「それでは東君、GO!」
東 「オレかよ!?」
甚八 「大丈夫ですよ。サーブ権がコッチに移った以上、もう1点も取らせませんよ」
東 「…………何言っても無駄っぽいな」
甚八 「さあ、ゲーム再開だ。いくぜ!」
伯爵 「フン、こしゃくな。返り討ちに…………ヘックション!」
千石 「おや?」
伯爵 「ヘーックション! ちょ、ちょっと待ってくれ、ヘックション!」
東 「何か様子がおかしいな?」
伯爵 「こ、これは……ヘクション! も、もしや……地球の微生物に免疫が無く、病気になったというオチか? ヘックション!
むう、そういえば夕べから寒気がしていたし、何やら熱っぽい気もしてたのだが……」
甚八 「それって……風邪?」
伯爵 「ヘーックション! お、おのれ……ろ、ロボ!」
ロボ 「が……お…………」
千石 「ロボットの方も様子がおかしいね」
ロボ 「が…………お…………」
甚八 「止まった?」
千石 「錆びてやがる!」
東 「海水と潮風で錆びたのか? どれだけ安っぽい作りなんだよ」
伯爵 「く……む、無念……ガクリ」
甚八 「え、終わり?」
東 「も、盛りあがらねぇ……」
千石 「まあ、正義は勝つという事だ、アーッハッハッ!」
甚八 「太助の犠牲は何だったんだろう……」
千石 「そうだ、今日の最大の功労者は太助君だ。太助君の殉死に敬意を表し、全員敬礼! 亡骸は彼の生前の希望で宇宙葬に…………」
太助 「いや、死んでないッス。宇宙葬を希望した覚えもないんですが」
東 「大体、どうやって宇宙葬にするんだよ」
千石 「わかってるよ。ちょっとしたジョークじゃないか(笑)」
甚八 「じゃあ、帰りましょうか」
千石 「うむ、凱旋だ!」
太助 「そういえば、伯爵って死んだのか?」
東 「いや、たかが風邪ぐらいで死にはしないだろう」
千石 「いや、風邪というのも、アレでバカにしたものじゃないよ。特効薬は無いんだし、こじらせると生命に関わる場合もある」
甚八 「あ、伯爵がいない!?」
東 「何! どこに行った?」
太助 「あそこだ、甚八っつぁん! あのガケの上だ!」
伯爵 「ハッハッハッ、見事だ諸君! この勝負、私の負けだ。かくなる上は、千石正純! 貴様と結婚して、幸せな家庭を築いてくれるわ!」
千石 「は?」
伯爵 「貴様の子孫に私の血を混ぜ、ビーチバレー好きに変えてやるのだ! ハッハッハッ、私の花嫁修業が終わる日を楽しみにしていたまえ!
さらばだ、ダンナ様!」
千石 「待て! 待ってくれ! せめて東君をターゲットにしてくれ!」
東 「人を巻き込むなよ!」
千石 「だって、中身は男なんだよ、アイツ? ボクは君と違ってゲイじゃないから、嫌だよ、そんなの」
東 「だから、俺だってゲイじゃないっつうの!」
太助 「なあ、甚八っつぁん……」
甚八 「どうした?」
太助 「千石さんに教えた方がいいかなぁ。東さんの恋人が千石さんだって噂されてる事……」
甚八 「黙ってていいんじゃね?」
太助 「そうだな…………」
ナレーション
「戦いは終わった。いつの間にやら終わった。世界は再び平和を取り戻した。しかし、彼らは知らない。
卓球上人が魔物を封印したとされる土地は、日本全国、主に観光地を中心にまだまだ沢山ある事を。
戦え、甚八! 仕切れ、千石! ツッコめ、東! 次も犠牲者だ、太助! 次回の球技はセパタクローだ!!」