Flapper Girl!
Flapper Girl!


「あ〜疲れたぁ。ゼラバイアも3日連続で出てくる事ないじゃない。ったく、ヘンな所でマメなんだから……。2,3日ゆっくり休みたいなぁ〜」
 Gドリラーから降りてきて、琉菜は開口一番そうボヤいた。
「で、でも、ゼラバイアと戦う事がワタクシ達の使命なのですから……」
 同じくGドリラーから降りてきたエィナが慌ててフォローしようとする。
「わかってるわよぉ。でも、疲れたものは疲れたんだからしょうがないじゃない」
「何をだらしねぇ事言ってやがる。いつもエラそーな事言ってるのは、どこの誰だったっけ〜?」
 むくれる琉菜の背後から、エイジがはやし立てる。
「うるさいわねぇ! アタシはアンタみたいな体力バカとは違うのよ! 大体、アンタはいつも足先に乗っかって、
適当にミサイルやら撃てばいいだけだけど、
アタシは戦闘のたびにプレッシャーパンチで飛んでいくのよ!
アレ、ものすご〜〜〜く体力使うんだから!!」
 琉菜は怒鳴りながら肩に手をやり、首をポキポキ鳴らす。
「肩だって凝るし、痣も出来るし……。アンタにアタシの苦労が判るっての!?」
「そんなモン、エィナだって同じだろうが!」
「アタシの方が使用回数多いのよ!!」
 今にも噛み付かんばかりの勢いで睨み合うエイジと琉菜。
「ああ〜お二人ともやめてください〜」
 オロオロと二人の間で右往左往するエィナ。そして、そんな3人の様子を楽しそうに見ているミヅキ。
「エィナ、放っておきなさい。これもスキンシップの一環よ」
「し、しかし〜」
 クスクス笑うミヅキを、エィナはすがるような目付きで見つめた。
「やあ、ずいぶん賑やかだね」
 そうこうしているうちに、グランカイザーから斗牙が降りてきた。
「斗牙……」
 琉菜は眉間に寄せていた皺を消し、少し頬を上気させて近付いて来る斗牙の方を向く。
「ゴメンね、琉菜。ゼラバイアへの第一撃として、プレッシャーパンチは有効なんだ。済まないけど、ガマンしてくれるかな?」
 戦闘モードから戻り、いつもの優しい笑顔で斗牙が言う。
「な、何言ってるのよ! アタシならぜぇ〜んぜん平気! 遠慮しないで、これからもバンバン飛ばしちゃって!」
 精一杯元気な笑顔を浮かべ、琉菜は斗牙の手を握った。そんな彼女の様子を、エイジは冷淡に見つめる。
「オマエ、さっきと言ってる事変わってねぇか…………っ痛ぇ!!」
 エイジは強烈に足を踏みつけられ、思わず悲鳴を上げた。
「あ〜ら、何の事かしら?」
 あくまで笑顔であるが、額に血管を浮かべながら琉菜が言う。
 その二人を見つめ、斗牙は愉快そうに笑った。
「ホントに二人は仲が良いね。確か、そういうのを『ケンカするほど仲が良い』って言うんだよね、ミヅキ?」
「そうね〜。ホォ〜ント仲が良いよねぇ、お二人さん」
「「誰が仲が良いって!?」」
 キレイにハモってしまい、一瞬顔を見合わせるエイジと琉菜。しかし、すぐに斗牙とミヅキに突っ掛かっていく。
 そんなエイジの視界の隅に、儚げな影が過ぎる。リィルがじっとこちらを見ていた。
「よぉ、リィル。お疲れ!」
 エイジは怒り顔を収め、快活な笑顔でリィルに声をかけた。
「え? あ、ハイ……お疲れ様です……」
 リィルはおずおずとした様子でエイジに答える。エイジはそんなリィルの姿と隣の琉菜を見比べる。
「ったく、オマエもリィルの爪のアカでも飲めば、ちょっとはおしとやかになれるんじゃねぇの?」
「何ですってぇ〜〜〜〜!?」
「やっぱり女はリィルみたいにカワイイ、おとなしいタイプがイイよなぁ〜。」
 エイジは小馬鹿にしたように琉菜を見ながらニヤけた笑みを浮かべる。
「あ〜、それってセクハラよ、セクハラ!!」
 またもエイジに噛み付かんばかりに食ってかかる琉菜。
「ウルせー! 悔しかったら、ちょっとはリィルみたいになってみろ! なぁ、リィル」
 同意を求めるようにリィルの方を見るエイジ。
 言われたリィルは、頬を真っ赤に上気させ、驚いたような表情を浮かべていた。
「そ、そんな、可愛いだなんて……そ、その……私……」
 モジモジしながら、誰にも聞こえないような小さな声で呟くリィル。
「リィル……?」
 そんなリィルの様子を、不審そうに見つめるエイジ。
「どうかしたのか?」
 俯くリィルの顔を覗き込むエイジ。その瞬間、何かに弾かれたように顔を上げ、リィルは2,3歩後ずさった。
「わ、私……そ、その……ごめんなさい!!」
 リィルはその場から逃げるように走り去った。
 その後ろ姿を呆然と見送るグランナイツの面々。やがて、琉菜がエイジをキッと睨み付ける。
「アンタ、リィルに何かヘンな事したんじゃないでしょうね!?」
「んなワケねーだろ! オレが何したって言うんだよ!!」
「じゃあ、何で逃げて行ったのよ!?」
「オレが聞きたいぐらいだ!!」
 またも睨み合う二人。その二人の様子を尻目に、リィルの去って行った方を見つめるミヅキ。
「はは〜ん、さては……」
 何かに得心がいったように、ミヅキはいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「琉菜、リィルの所に行くわよ」
 ミヅキは琉菜の襟元を掴み、強引に引きずりながらリィルの後を追って行った。
 取り残されたエイジは、ニコニコと笑みを浮かべている斗牙と視線を合わす。
「何だってんだよ……。行こうぜ、斗牙。喉渇いちまった」
「うん。それにしても、やっぱりエイジと琉菜は仲が良いね。少し羨ましいな」
「どこをどう見たら、そういう風に見えるんだよ、ったく……」
 不機嫌そうに格納庫を出て行くエイジの後を、斗牙は心底楽しそうな笑顔を浮かべて追った。



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